メリット
地方の病院で勤務する医師でも看護師でもないその他の医療従事者である私の場合,論文は書かなくても生きて行ける.出世に影響するわけでもなく資格維持に影響するわけでもないし,学会発表ですら業務ノルマに加わっていなかった.
そんな中,急に目覚めて論文を書きだしたのは,たぶん以下の理由による.
1.退屈しない
2.前向きに生きて行ける
3.褒めて貰える
4.学生時代からのあこがれ
5.こどもにいいかっこを見せときたい
6.医療従事者でなかったものとして,意地を見せた?
1から3は,Youtubeの「夏井いつきの俳句チャンネル 俳句をしてどんな得があるの?」から参考にさせて頂いた.
https://www.youtube.com/watch?v=rn9cxc4Th1c&feature=share
結局,俳句も論文も「おもしろいな,感動したな,わくわくすっぞ」的な感覚に出会えることが一番のメリットかと考える.毎日仕事をしても,患者さんのメリットを増やそうとか放射線による被ばくが減ってよかったとか小児の患者さんが怖がらなくてよかったとか,そういう経験を踏まえて,より具体的に改善するのが研究であり,また研究の一連のまとめが論文であると考える.だから,前向きに生きて行けることになるし,論文を発表すると「JRRsで論文掲載されてましたね.すごいなぁ」と学者先生から学術大会で褒めてもらえる.
4から6は,個人的な感情である.大学院の修士課程に行っても,学会発表も1回きりだったし担当教授は論文も仕上げようとはしないし,毎日実験ばっかりだし,本気の研究者になれんのならはやく就職したいなあというのが学生時代の本音だった.就職してから,学生時代の同期の人が論文掲載されたのを知り,「いいなぁ」と思った.
こどもがすくすく成長すると,「おとーさんは,よくやっとるよ」という何かを残したい気持ちは誰しもあるだろう.また,こどもが受験生になったら,「いいよなー大人は,家帰るとビールばっかり飲んで」という嫌味を言われても,論文を書いていたら「だって論文書きよるもん」と言い返せばいい.
私が病院に就職したのは30歳前半の時で,施設課という部署で採用された.2年ばかり働いたある日,「おめー大学院を出てるから,放射線科へいけ」と名誉院長から言われ施設課から放射線科へと異動した.当時,医療免許は持っていなかったから「助手」となり放射線技師さんのお手伝い係となった.2,3年後に学会認定資格をとり晴れて医療職になったのだが,助手の時に書いた論文が掲載され「どーだ,インパクトファクター3.0のアメリカの雑誌に論文通ったぞ.すごいだろー.」という技師さんに向けたちっちゃい自慢が私の意地たっだのかなあ思うのである.
デメリット
デメリットはこうである.
1.暇がない
2.金がない
1,2ともそんなに負担はかからない,,,と思うのだが.
メリット,デメリットと比べて,あなたならどちらを選ぶか?
選んでみんかい,論文書くっていう方を!後悔させんよ,だって,Noリスクだもん.
また,酒井 聡樹先生の「これから論文を書く若者のために 究極の大改訂版」も参考にさせて頂いた.特に最初に書いた論文でお世話になった.
1-Oct. 2020